円満な資産承継するための選択肢の一つとして〜成年後見人制度や遺書と組み合わせる

いつ検討すれば良いのか

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Q.いずれ家族信託を検討したいと思っていますが、父はまだまだ元気です。

父の相続や父の意思判断能力が衰えることを前提とした話題は、出しにくくて困っています。

どうすればよいのでしょうか。

【解説】

家族信託に限らず、家族の中で、相続や認知症になった場合を想定しての話題はなかなかしにくいものです。親が認知症を発症してしまった後で、「家族信託は使えないか」という相談が多いのも事実です。ですが、残念ながら認知症などによって意思判断能力を失ってしまった後では、いかなる契約行為もできません。

自分自身や親が元気な間は、たしかにこうした話題は出しにくいでしょう。しかし、唯一といってよいタイミングは、上の図の通り、実は限られています。

人は対策ができるときには何もせず、問題が起きたときは何もできない

どんなに今は元気で強気な人でも、ちょっとしたきっかけで「将来に対する不安・心配」を感じるときは必ず来ます。自分自身の相続や資産承継について、あるいは残された家族について考え始めるこの時期こそが、家族信託を検討する「最後のタイミング」です。

 このタイミングは、人により到来する時期がまったく異なります。

まだ若く元気な時期からこうしたことを考える人もあれば、本当に身体の自由が利かなくなって初めて「不安」を感じる人もいます。

いずれにしても、「不安や心配を感じたタイミング」が家族信託を検討するタイミングです。

そして大切なことは、「検討するときはしっかりと検討する」ということです。

先述しましたが、意思能力判断能力が失われてしまうと、もはや手遅れです。

もし、本格的にその兆候が現れたならば即時に手が打てるようにしっかりと検討し、今すぐ信託契約を実行せずとも、少なくともその準備をしておくことが大切です。

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